創作哲学

【閲覧注意】作曲歴15年超の僕の作曲の流れを公開します

これまで色々なジャンルの曲を作っては試行錯誤を繰り返してきましたが、実はどの曲もほぼ同じ流れで曲を組み立てています。

今回は作曲歴15年超(圧縮すれば2年くらい)の僕がどのような順番で曲を作っているのかお教えしたいと思います。

ちなみに、この記事の最後には実際に僕が作った曲をモデルとして制作の流れを公開していますので、ぜひそちらも読んでみてください。

作曲の流れ

基本的には次の流れで曲の要素を固めていきます。

コンセプト/世界観の設定

サンプルの制作

歌詞/テキストの設定

メロディー/対旋律の設定

コード/和声の設定

アレンジ/オーケストレーション

ミックス/マスタリング

作曲することは徐々に要素を限定していくことですから、当然最初に決めるものがもっとも自由度が高いです。

ですから、もしメロディーやコード進行が先に思い浮かんでしまった場合は、必ずコンセプトから改めて考えるようにしています。

伝えたいものを一番最初に作るのがいいんです。コード進行やミックスの成果を一番に聞かせたいと言う人は多くないと思います。

曲によっては何かの要素が無かったり、隣り合った要素を並行して進めることもあります。コンセプトからアレンジに進むこともたまにあります。

さて、この7つの要素は主に3つのフェイズに分けて進めていますので、順に解説してきますね。

設計図を作る

コンセプト/世界観の設定

曲全体をどのような雰囲気にまとめていくかを考えます。

基本的には考えるだけなので、歩きながらでも、カフェでも、授業を聞いている時でも、寝ている時でもできます。

サンプルの制作

そのコンセプトに即した音が作れるかどうかを、キーボードを弾いたり、システムを組んだり、素材を並べたりして実験してみます。

ここで難しいと判断したら温めておくか、アイディア自体を捨てて、新しい曲に取り掛かります。

骨組みを作る

歌詞/テキストの設定

歌の場合は、コンセプトに即した言葉を用意していきます。

僕は歌詞を作るのがとても苦手なので、友達に任せることもあれば、似たような歌詞を使っている曲を漁りに漁って作ることもあります。

メロディー/対旋律の設定

実際に歌われる(演奏される)音の並びを決めていきます。対旋律も決めます。

ラフに全体像を作っていってから細部を掘り進めて、アレンジ段階で固められるようにします。

コード/和声の設定

メロディーを作った時点でほぼコードは決まっているので、そこに和音を乗せていきます。

それぞれの音を近づけるか離すか、ダブらせる音省く音はどれかを考えて全体の調性感や響きを整えていきます。

肉付け・化粧をする

アレンジ/オーケストレーション

より豊かな聴こえ方になるように、色々な楽器にメロディーや和音を分解していきます。

例えば、オーケストレーション的にこのような音符を次のように分解することもあります。

ミックス/マスタリング

僕は専門ではないのですが、それなりに印象が変わってしまう部分なので大事な曲の時は信頼できる友人に任せています。

そうじゃない時はOzone 8 Elementsをマスターにさして終わりです。

モデルケース

今回は僕がかつて作った曲から2曲をモデルとして解説してみたいと思います。

“精神衰弱ロンリネス”

初音ミクの曲です。この曲は歌詞を他の人に任せたので、歌詞とメロディーの制作の順番が逆になっています。

コンセプト/世界観の設定
ボーカロイドの曲を作ってみよう。マイナーで恋愛に関する曲が多いような気がするからそれにならってみる。ポップスを作るので曲構成はAメロBメロサビを基準に。

サンプルの制作
省略

メロディー/対旋律の設定
せっかくボーカロイドが歌うので、人には歌いにくい曲にしてみる。基本的に3度で跳躍するメロディーラインにして、Bメロは大きな跳躍を設定してみる。

歌詞/テキストの設定
バンドメンバーにお願いしました。

コード/和声の設定
キーはBm。先に進む感じを出したいのでドミナントはF#に。何箇所かに変わったコードを置いてアクセントにする(サビ内F#9、2番Aメロ直前F9など)。Bメロは有名な「スペイン」のコード回し。

アレンジ/オーケストレーション
バンドサウンドにしたいので、ギターをバンドメンバーにお願いしました。その他の部分は打ち込み。自分自身がキーボードを弾くので、今回もオルガンとエレピを入れる。

ミックス/マスタリング
バンドメンバーにお願いしました。

“polychrome…”

女声とエレクトロニクスのための曲です。

コンセプト/世界観の設定
曲の根幹を作っているので、省略。とりあえず女声をフィードバックさせようと思いました。

サンプルの制作
フィードバックのシステムを作るためにMax/MSPというソフトを使いました。結局自分では作らず、他の方のパッチを利用しています。

歌詞/テキストの設定
この曲は「ハミング→母音→子音→ノイズ→自由な歌」という風にテキストが成長していきます。それらが飽和しきった時に、最初のハミングに戻ります。

メロディー/対旋律の設定
メロディーというほどではないですが、シ→ド#→ラ→レ→ファ#→ソ→ミという順番でニ長調/ロ短調の音が導入されていきます。

コード/和声の設定
コードというより調性に準じたクラスターなので、ニ長調/ロ短調の音が鳴り続けています。強いて言うならEm7(9,11,13)とかアッパー・ストラクチャー・トライアドF#m/Em7とかになると思います。

アレンジ/オーケストレーション
録音した素材を少しずつずらして並べて、ディレイの効果を作っています。左右でも音をずらしてあると思うのですが、プロジェクトを見てみないと思い出せません。

ミックス/マスタリング
よく分からないので高い音を強調して終わりにしたような気がします。

他の曲については機会があったら説明したいと思います。何か気になることがあれば、ぜひコメントなどでお知らせ下さい。

ABOUT ME
Takuya Yoshida
Takuya Yoshida
福島県小野町出身。東京学芸大学教育学研究科を修了し、現在はフリーランスの作曲家、そして都内の小学校の音楽科非常勤講師を務める。 また「よしたく先生」としてYouTubeなどに演奏動画をアップロードし、多くの人と音楽を続けていくための活動を行なっている。福島県田村郡小野町立小野小学校の校歌を作曲している。
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